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2006年7月11日 (火)

うらやましぃ

こんにちは。X3です。今回は、マーケティングのお話です。

同じプランナーとして、ちょっと「うらやましぃなぁ」というお話。

何をうらやましがっているかというと、今、Nationalでやっている「新・子育て家電」というコミュニケーションに対してです。

http://national.jp/product/house_hold/dishwasher/

「新・子育て家電」というコンセプトは、恐らくストラテジーのプランナーが立てたんだろうなと思います。

グルインかなんかのユーザー調査で、誰かがポロっと言ったんでしょうね。

食器洗い乾燥機を購入した理由は何ですか?(グルインでの質問)

多い答えは、「家事の負担が減る」「キレイに洗える」「節水できる」とかですよね。

でも、ある人が、「食器洗い乾燥機を使うと、家事の時間が減って、家族との時間が増えるんですよ。共働きだから、家族との時間が持てるのはすごくイイ」みたいなことを言ったんでしょうね。

それを聞いてたプランナーは、「これだ!!!」って叫んだはずです。僕なら叫ぶもん、

「キター!!!コレだーって」。踊っちゃうかもしんない。

そして、すごーく理解のあるクライアント担当者により、このコンセプトが世に出ることになったんでしょうね。Nationalの担当者もマーケティングに造詣のある人だと思います。

どんないいコンセプトを死に物狂いで作っても、クライアントがOKださないと世の中に出ませんからね。僕らの仕事っていうのは。何回、ファッキンベイビーと叫んだことか。

話を元に戻すと、(ここからちょっと真面目なお話になります)

このコミュニケーション、非常に好感度が高いと思います。他の食器洗い洗浄器とは一線を画したポジショニングを確立できるでしょうね。すなわち、「ブランド化」に成功するということです。

なぜか。

今までの食器洗い乾燥機の広告思い出してください。どの製品も、「節水」だとか、「洗浄力がすごい」とか、「省エネ」だとか、「場所をとらない」だとか、機能性のお話しかしていませんよね。

なぜ、どこもかしこも似たようなことになるかというと、

クライアント様にとって、新商品というモノは長い時間をかけてやっとできた商品ですから、どこがすばらしいのかを力説したくなるんですね。「あれもこれも言いたい病」にすぐかかっちゃう。

だから、どの広告も、「今度の商品はここが新しくなった。ここも新しくなった。こんなとこも新しくなったんだよー。すごいでしょ。」となっちゃうんですね。。

これを「Functional Benefitの罠」とボクは呼んでいます。

罠①:技術革新がすごいので、「すごい」と思っている機能は、すぐ他社も真似できちゃう。あっという間に自分たちの優位性がなくなってしまう。そうなると価格競争が始まり、新商品を次々と出す必要が出てくる。結構、企業は疲弊します。今、TVがそうですよね。

罠②:さらに痛いことに、クライアント様が「すごい」と思ってることは、僕ら生活者にとってはそんなにすごくなかったりする。

結果として、差別化を図ることができなくなり、どこの商品も同じだねということになってしまう。

今の時代、「Fincitonal Benefit」を中心としたコミュニケーションは、瞬間的には優位性を作り出すが、長続きはしない。独自のポジショニングできず、どこの商品も同じだねということになり、価格競争に巻き込まれていく。

これがボクの持論です。Nationalの担当者はこういうことを理解していたんだと思います。

「Funcitonal」がダメと言っているわけではないです。iPodのようなライフスタイルを変えてしまうような革新的な商品は別ですけどね。そんな商品めったにないです。

コミュニケーションにはもうひとつ、やり方があります。

「Emotional Benefit」を核としたプロポジションを提案するコミュニケーションです。

Nationalの製品の特徴は、「オープンドーム」「除菌ミスト」「設置場所」「スピーディでお得」「簡単操作」の5つだそうです。とりたてて革新的な商品じゃないですよね。

でも、他社と全然違うように見えるのは、5つの機能の中でも「除菌ミスト」と「スピーディー」「簡単操作」に焦点をしぼり、これらがあるからできることを提案しようとしたからです

その答えが、「子育て家電」なんですね。

・除菌ミストがあるから、ちょっとの汚れも気になる子どもの食器洗いも安心。

・簡単操作で、スピーディーだから、家事の時間が短縮され、家族の時間が持てる。

子育て家電を名乗る資格は、十分ありますよね。新しい価値を提案するときに大事な、「信じれる理由」というやつです。これがないと、言いっぱなしになるので、ご注意を。

さらに、こういうコミュニケーションって単純に「いい」と感じてしまいます。ココロをくするぐんですよね。商品の機能性を話されても、グッとこないです。客観的に判断するだけです。

そして、ココロをくすぐられるということは、好きという感情が芽生えると同義後なですね。すると、記憶に残りやすくなります。記憶に残すことに成功すれば、あとは子育て支援的なネタと商品を結びつける企画をいろいろなコンタクトポイントで展開し、Nationalの商品=子育てみたいなイメージが少しずつ蓄積していくことで、ブランド化していきます。

成熟社会で効果があるのは、この手のコミュニケーションだと思います。

でもたいてい、こういう話をすると、「どこの企業でも言えるよね、それ。うちだけにしか言えないこと言って欲しいんだよね」って言う輩が必ずいます。あとは、先ほど言った「新しいこと言いたくなる病の発症」とか、「不景気で商品のことを一回の広告でいろいろ言っちゃおうとする姿勢」とか。そうなると「Functional」を伝えるしかないんですよね。

こういう担当者に出会うと、プランナーがポッと出て行ってプレゼンしても頭は切り替わりません。営業が毎日毎日、しつこくこういう話をしてくんないと、しんどいですね。

だから、いろんな意味でNationalの新子育て家電を担当したプランナーはうらやましいなと思います。

プレの道筋をつけてくれる営業がいて、理解のあるクライアントがいてね、予算もいっぱいあって。

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コメント

続けてコメントです。
広告業界を描いた漫画は、「サプリ」が初めてという訳ではありません。他にも沢山あります。

今の私の仕事は、直接広告と関係はありません。
しかし、たまたまパソコンが使えて、POPや簡単なチラシの原稿、店内の各種案内などを作らされるため、必然的にキャッチコピーを捻り出さねばならないことがあります。

パソコンの作業には一定の時間はかかりますが、それ以上にコピー作りが一番大変だと実感します。

沢山の情報を1枚の限られた用紙に並べられれば話は簡単なのでしょうが、一目で分かりにくくなってしまいます。

経験だけでも駄目だし、才能だけでも駄目。
私は今でも苦労させられるのです。

投稿: renesis | 2006年7月13日 (木) 20時45分

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