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2006年8月31日 (木)

村上春樹

こんちは。X3です。

本日は、「村上春樹」氏の本についてです。

結構好きな作家さんでして、ほぼ全部持ってます。村上春樹全集作れるな、おそらく。ハードカバーと文庫本持ってる作品とかもあるし。

内容はもちろん好きなんですけど、彼の言葉の選びかたとか、使い方が結構好き。

うーん、なんていうんですかね、読んでると、脳みそが癒されるというか、オアシスみたいな存在になるんですね。カラダが疲れてると甘いものを取りたくなるのと同じで、脳みそが疲れてくると、手に取りたくなる。ボクにとってはそんな存在です。

で、昨日の夜、何気なく『カンガルー日和』という短編集を手にとって、パラパラ見てると、

すごーくセクシーなお話に出会い、すごーく癒されました。その文章を長いですけど、紹介したいなぁと。

カンガルー日和

『カンガルー日和 ~4月のある晴れた朝に100%の女の子に出会うことについて』

「四月のある晴れた朝、原宿の裏通りで「僕」は100%の女の子とすれ違う。たいしてキレイな女の子ではない。素敵な服を着ているわけでもない。髪の後のほうには寝ぐせがついたままだし、年だっておそらく三十にちかいはずだ。しかし50メートルも先から僕にはちゃんとわかっていた。彼女は「僕」にとっての100%の女の子だ。」

という出だしで始まります。そして、「僕」は彼女にどのように話しかければいいのだろうか・・と「僕」が考えるという話しです。そして、「僕」が彼女に話しかけようと考え付いた話が始まります。そこからがすごーくセクシーだなぁとボクが思った部分です。ではどうぞ。

「昔々、あるところに少年と少女がいた。少年は18歳で、少女は16歳だった。たいしてハンサムな少年でもないし、たいして綺麗な少女でもない。どこにでもいる孤独で平凡な少年と少女だ。でも彼らは、この世の中のどこかには100%自分にぴったりの少女と少年がいるに違いないと固く信じている。

ある日、二人は街角でばったりとめぐり合うことになる。驚いたな。僕はずっと君を探していたんだよ。信じてくれないかもしれないけれど、君は僕にとって100%の女の子なんだよ。と少年は少女にいう。少女は少年に言う。あなたこそ私にとって100%の男の子なのよ。何から何まで私の想像していたとおり。まるで夢みたいだわ。

二人は公園のベンチに座り、いつまでも飽きることなく語り続ける。二人はもう孤独ではない。100%相手を求め、100%相手から求められるということは、なんてすばらしいことなのだろう。しかし二人の心をわずかな、ほんのわずかな疑念が横切る。こんなに簡単に夢が実現してしまって良いのだろうか、と。

会話がふと途切れたとき、少年がこう言う。

ねぇ、もう一度だけ試してみよう。もし僕たち二人が100%の恋人同士だったら、いつか必ずどこかでまためぐり会えるに違いない。そしてこの次にめぐり会った時に、やはりお互いが100%だったなら、そこですぐに結婚しよう。いいかい?

いいわ。と少女は言った。そして二人は別れた。しかし本当のことを言えば、試してみる必要なんて何もなかったのだ。彼らは正真正銘の100%の恋人同士だったのだから。そしておきまりの運命の波が二人を翻弄することになる。

ある年の冬、二人はその年に流行った悪性のインフルエンザにかかり、何週間も生死の境を彷徨った末に、昔の記憶をすっかり失くしてしまったのだ。彼らが目覚めたとき、彼らの頭の中は少年時代のDHロレンスの貯金箱のように空っぽだった。

しかし、二人は賢明で我慢強い少年と少女であったから、努力に努力をかさね、再び新しい知識や感情を身につけ、立派に社会に復帰することができた。彼らはちゃんと地下鉄を乗り換えたり、郵便局で速達を出したりできるようにもなった。そして75%の恋愛や、85%の恋愛を経験したりもした。

そのように少年は32歳になり、少女は30歳になった。時は驚くべき速度で過ぎ去っていった。そして、4月のある晴れた朝、少年はモーニングのコーヒーを飲むために原宿の裏通りを西から東へと向かい、少女は速達用の切手を買うために同じ通りを東から西へと向かう。二人は通りのまんなかですれ違う。失われた記憶の微かな光が二人の心を一瞬照らしだす。

彼女は僕とっての100%の女の子なんだ。彼は私にとっての100%の男の子だわ。

しかし彼らの記憶のヒカリはあまりにも弱く、彼らの言葉は14年前ほど澄んではいない。二人はことばもなくすれ違い、そのまま人ごみの中へと消えてしまう。悲しい話だと思いませんか。」

と終わります。いかがでしたか?

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